女性のからだの悩み#3 妊娠から出産、授乳、そしてビタミンC。
2021年07月28日更新
SUMMARY
- ・妊娠中のトラブルとインナーケア
・妊娠中から出産、授乳中
・妊娠中のビタミンCの摂取量について
妊娠中、あるいは授乳中お母さんのからだはいつも以上に多くのビタミンCを必要とします。
厚生労働省が推奨する妊娠~授乳中にかけてのビタミンC摂取量も、通常の1.1倍~1.5倍となっています。
(参考)
妊婦・授乳婦 - 厚生労働省
その理由と、ビタミンCがどのような役割を担っているのかをHelen Saul Case著「Vitamins & Pregnancy: The Real Story」からの抜粋を随所にご紹介しながら綴ってまいります。

Vitamins & Pregnancy: The Real Story / Helen Saul Case
妊娠中のトラブルとインナーケア
妊娠すると、未来の赤ちゃんのために身体内部の環境が大きく変わります。
そして、その変化に対応する身体では通常より多くの栄養素が消費されます。
妊娠中に起きやすいトラブルと、インナーケアの関係を記します。
ご参考にしてください。
1.女性ホルモンの分泌量とストレス、酸化ストレス
妊娠時期は、女性ホルモンの分泌が急激に上がり、妊娠の継続と出産に備えて変化して行きます。また、出産後にはこれらのホルモンの分泌量が減少していきます。 この女性ホルモンの分泌量の変化により、肉体的にも精神的にもストレスを感じやすい不安定な状態になります。
ストレスが加わると副腎に蓄えられているビタミンCが急激に消費されます。 これは、抗ストレスホルモンを作るのにビタミンCが使われるためです。ビタミンCが不足している状態では、この抗ストレスホルモンが必要量作られず、ストレスに対する抵抗力が弱まってしまいます。
また、イライラなどのストレスは、過剰な活性酸素を発生させ、お母さん自身のからだにもお腹の赤ちゃんのからだにも、酸化ストレスとなってダメージを与えてしまいます。
妊娠中に不安定になるのは前述したようにホルモンバランスの変化によるものであるということが考えられます。
2.免疫力の低下
妊娠中は免疫力が低下しやすくなると言われています。
特に、これから迎える蒸し暑い夏は、食欲の低下や寝不足、冷房による冷えなどもあり、体調管理に気をつけたい季節です。
軽い風邪に神経質になる必要はありませんが、高熱が続いた場合には赤ちゃんへの影響も心配になります。
なるべく風邪をひかないように日頃からバランスのとれた食事と適度な運動、十分な睡眠をとり免疫力を高めておくことが重要です。
3.肌のトラブル
妊娠中は、悪阻(つわり)などの体調不良の影響や、女性ホルモンの変化からニキビや肌荒れ、痒みなどの肌トラブルが起きやすい時です。
また、妊娠初期はホルモンの影響からシミができやすいとも言われており十分なケアが必要です。
肌トラブルにはバランスのとれた栄養素の摂取で、内側からのケアが大切です。
4.口腔内の環境を保つ
妊娠中は、唾液の分泌量の低下により虫歯、口内炎、歯肉炎、口臭などのリスクが高まります。口腔内の環境が悪化し、虫歯や歯周病になると血液を通して赤ちゃんに影響を与えることがあります。
インナーケアで歯や粘膜など口内の健康を守りましょう。
妊娠中から授乳中、ビタミンCの重要性
“発達中の胎児はビタミンCをよく必要とする事実、胎盤には母体の血液から胎児の血液にビタミンC移送するメカニズムがあるという事実が、胎児がより多くのビタミンCを必要とすることを裏付けています。 ビタミンCの摂取量の低い妊娠女性のほとんどが、妊娠後期になるにしたがって血中ビタミンC濃度が低下することが報告されています。”
(参考)Helen Saul Case「Vitamins & Pregnancy: The Real Story」(2016)
実際にビタミンCを多く摂るライフスタイルがお母様にとっても、赤ちゃんにとっても多くのメリットをもたらすことが多く報告されています。
お母さんが摂取したビタミンCは、妊娠中は胎盤を通して、授乳中は母乳を通して赤ちゃんに届けられます。
妊娠中のビタミンCの摂取量について
“自分のフィーリングで「多すぎる」かどうかを決めるのが一番です。妊娠中に適切なビタミンC量は人によって異なることがあるので、あなたが健康で、元気で、そして活気に満ちていると感じたら、その量を書き留めてください。あなたが胃のむかつきを感じたり、軟便が起きたりする場合は、それに応じてビタミンC量を調整しましょう。”
(参考)Helen Saul Case「Vitamins & Pregnancy: The Real Story」( 2016)
炭水化物や、タンパク質、脂肪などのカロリー源と同様に、ビタミンCもまた個人差があります。ご自身の体調を内観し、必要量を見極めることは、栄養素の最適量の見極めには共通であると言えます。
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