女性のからだの悩み #1 女性ホルモン
2021年09月15日更新
SUMMARY
- ・月のリズムを作る女性ホルモン
・2つの女性ホルモンの働き
・女性ホルモンの分泌バランスの乱れ
・ホルモンバランスを整えるためのケア
・月のリズムに合わせたインナーケア
女性のからだは、季節や環境の影響を受けやすいため、季節による温度や湿度、気圧の変化により、「だるい」「頭が重い」「気分が晴れない」などの症状を強く感じる方も多いようです。
そこで、女性のからだにまつわる悩みをテーマに、女性特有の問題が生じる原因や疑問、その解決方法を提案する全3回のシリーズをお送りいたします。
第1回のテーマは「女性ホルモン」となります。
月のリズムを作る女性ホルモン
女性のからだと心はホルモンバランスによって大きく左右されるといわれています。
女性は約1ヶ月の生理周期の間にホルモンの分泌バランスが変わり、その変化によって、月経、卵胞期、排卵期、黄体期という周期があります。
そんな女性特有のリズムを作り出しているのが、2つの女性ホルモンです。

2つの女性ホルモンの働き
女性ホルモンには「エストロゲン」と「プロゲステロン」という2つがあります。
エストロゲン(卵胞ホルモン)は排卵と妊娠への準備を促すために心とからだを整える 「卵胞期」 に分泌が多くなります。通称「美のホルモン」と呼ばれるように、コラーゲンの生成を促し、肌を美しくし、髪を艶やかにします。また、女性らしいボディラインを作り、自律神経の働きを安定させます。
プロゲステロン(黄体ホルモン)は受精卵を着床しやすくし、妊娠や出産に欠かせない役割を持つ ホルモンとして排卵後から次の月経までの「黄体期」 に分泌が多くなります。通称「母のホルモン」と呼ばれ、体温を上げ、水分や栄養素を溜め込む作用があります。大切なホルモンですが、その作用により皮脂分泌を促し肌トラブルやむくみなどの不快な症状の原因になります。その他、イライラや憂鬱感をもったり、甘いものが欲しくなったり、疲れやすく、手足の冷えや下腹痛を感じたりと、心身ともに不安定になりがちです。
女性ホルモンの分泌バランスの乱れ
これら女性にとって心身に大きな影響を与える女性ホルモンですが、分泌をコントロールしているのは脳の視床下部、下垂体で 、とってもデリケートな器官であるため、脳にストレスが加わると、 たちまちホルモン分泌のバランスが乱れます。その他、疲れや、体調不良などによっても乱れます。
すると当然、ホルモンの働きもおかしくなり、肌が荒れたり、生理が遅れたりと全身にさまざまな変調が起こります。
今の時期は、以前お伝えしたように6月特有のストレスもあり、女性ホルモンも乱れがちになり、心身ともに変調をきたしてしまうのです。
また、加齢によってホルモンの分泌量は減少し、諸説ありますが、女性ホルモンは25歳頃から30前半をピークに、40代後半まで緩やかに減少すると言われています。女性ホルモンのうち、特にエストロゲンの減少は、不快な症状につながるため、30代であってもホルモンバランスが不安定な生理前にエイジングサインを感じる方も多いのです。40代半ばから50代にかけて、その変化が大きくなり更年期症状が気になる時期となります。
ホルモンバランスを整えるためのケア
こうした女性ホルモンの分泌の乱れを整えることは、女性の美しさや健康を保つために大変重要なことであることはいうまでもありません。
そのためのケアとして、次のような4つの対策があげられます。
①ストレスケア
私たちの身体は、ストレスがかかると、副腎から「抗ストレスホルモン」を分泌し、血糖値を上げてエネルギーを燃焼させながら、ストレスに対抗する準備を整えます。
ビタミンCはこのストレスに対抗する「抗ストレスホルモン」の原料となっています。そこで大切なのは、ビタミンCで身体を満たすことなのです。
②十分な睡眠
睡眠不足は女性ホルモンの分泌が乱れる原因といわれ、女性ホルモンのバランスの乱れは不眠を引き起こすという悪循環になります。
質のよい十分な睡眠をとることを心掛けましょう。
③疲労回復
疲労感のある身体では、例外なく「活性酸素」が大量に発生しています。
疲れたときは体内の活性酸素が除去しきれず、疲労を回復する力も下がるという悪循環に陥ってしまうため、抗酸化作用のある栄養素を補給して活性酸素を減らすことは疲労回復にもとても大切です。
④ピル
ピルについては、女性ホルモンの分泌バランスを整えるのに効果的ですが、「ピルとビタミンC」というテーマで次回重点的に扱いますので、そちらをご参考いただければと思います。
月のリズムに合わせたインナーケア
上述したように、女性ホルモンのバランスは、4つの期間に大別され、それぞれ月経、卵胞期、排卵期、黄体期となります。
以下では、4つの期間のからだに起こる変化の特徴をまとめました。
<女性ホルモンバランスの4つの期間と特徴>
◆「月経」には生理痛のケア
生理中にあたるこの時期は、ストレスも多く、活性酸素が多くなります。
◆「卵胞期」には美白集中ケア
生理後7日~10日の期間は、エストロゲンの分泌が多くなります。
エストロゲンにより肌や髪に潤いがでるのに加えて、美容に成果が出やすい期間といえます。
◆「排卵期 」には排卵痛ケア
排卵日を挟んだ前後3日ほどの 排卵期 には、腹部の軽い痛みや張り、腰痛、などが起こる人もいます。
また、排卵日には、排卵によるホルモンの変化が急激に起こるため、からだに負担がかかり、体調を崩してしまったり、卵子が排出される時に卵巣を傷つけて出血や痛みが起こることもあります。
◆「黄体期」には肌荒れケア
プロゲステロンの分泌がさかんになるため、(上述した通り)心もからだも不安定になります。
この時期はイライラしたり、憂鬱になったり、疲れやすく、だるさやむくみ、肌荒れなど体調不良も出やすくなります。
この様な月のリズムによるご自身の体調の変化や症状に合わせてインナーケアを行うことが大切だと考えられます。
(参考)
「エストロゲン」(2020年11月30日 (月) 14:00 UTCの版)『ウィキペディア日本語版』
「プロゲステロン」(2020年11月30日 (月) 14:00 UTCの版)『ウィキペディア日本語版』
「月経周期」(2020年11月30日 (月) 14:00 UTCの版)『ウィキペディア日本語版』
女性の睡眠障害 | e-ヘルスネット(厚生労働省)
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