世界に学ぶ癒やしと綺麗の智慧 | vol.7 トルコ・イスタンブール
2022年06月24日更新
SUMMARY
- ・アジアとヨーロッパの境界を見渡す瀟洒なシティリゾート
・王族たちが堪能したような優美なハマム体験で心身浄化
・まとめ
体を清潔に保つことで、クリアで動じない心がつくられる
世界中のホテルスパを取材し、各地の健康や美のルーツを体験し続けている、トラベル&スパジャーナリストの板倉由未子さんが執筆するコーナー。
毎月、1地域にフォーカスを当て、その土地に根づく“おばあちゃんの知恵袋”的なウェルネスメソッドを、スパのリチュアルやトリートメント、文化体験などから紐解いていきます。
その土地の健康法を探りながら、世界を一緒に旅してみませんか?
今回は、トルコ・イスタンブールにある「フォーシーズンズホテル イスタンブール アット ザ ボスポラス」についてです。
アジアとヨーロッパの境界を見渡す瀟洒なシティリゾート
シルクロードの終着地だったイスタンブールは、東西の文化の交差点。ボスポラス海峡を境にヨーロッパとアジアに分かれています。エキゾティックなこの街の風土を満喫するなら、「フォーシーズンズホテル イスタンブール アット ザ ボスポラス」に滞在するのがよいでしょう。ヨーロッパ側の海峡沿い、新市街ベシクタシュの緑あふれる閑静なエリアに位置しています。19世紀につくられたオスマン帝国時代の宮殿「アティック パシャ」をリノベーションし、伝統とモダンをうまく融合させたエレガントなホテルです。特筆すべきは、ボスポラス海峡を一望する華やかなアウトドアプールで、都会にいながらくつろぎのヴァカンスを約束してくれます。
王族たちが堪能したような優美なハマム体験で心身浄化
トルコの伝統療法といえば、蒸し風呂「ハマム」。かつて、ローマ帝国の東南部であったイスタンブールは、ローマ人の浴場文化を受け継ぎ、13世紀ころから、ハマムは人々の生活に欠かせないものになったといわれています。街には、数百年前から営業しているハマムも残っているのです。
このホテルのスパで体験すべきメニューは「ターキッシュ インダルジェンス」。かつて王族たちが満喫したような優雅なハマムを体験できます。ハマムルームは広々としていて、総大理石張り。一歩足を踏み入れると、ターキッシュローズ、松、サンダルウッドなど、心が落ち着く香りが漂っています。温かく肌触りも滑らかな中央のへそ石にタオルが敷かれ、紙ショーツをつけた状態で仰向けになります。壁には鮮やかなブルーのトルコガラス、天井には美しい照明が飾られ、眺めているだけで、オスマン帝国時代へとタイムトリップできそうです。
ケセジ(垢すり師)は、「タス」といわれる金属製の桶に入れたお湯をゲストの体にかけ、垢すり手袋「ケシ」で全身をマッサージ。お湯で流した後、全身に泡立てた石鹸を塗布し、今度はタオルでマッサージします。石鹸を洗い流したら、全身を保湿パック。最後に、髪をシャンプー&リンスして終了です。すべて、ケセジに「お任せ状態」で行われるのです。リラクゼーションルームで少し休憩したら、トリートメントルームへ移動し、オイルマッサージを受けます。施術後、肌はつるつるに。代謝が促進され、むくみも解消。デトックス効果の高さを実感できます。
まとめ
イスラム教を信仰するトルコでは、「清潔は信仰の半分」と考えられ、人々は定期的にハマムを利用することで、健やかな心身を養っています。読者の皆さんも、イスタンブールを訪れたらハマムを体験し、自分の身をていねいに清浄する習慣が、泰然自若な精神をつくり出すことを実感してみてはいかがでしょう。
Four Seasons Hotel Istanbul at the Bosphorus
フォーシーズンズホテル イスタンブール アット ザ ボスポラス
ÇIRAĞAN CAD. NO. 28, 34349 ISTANBUL, BEŞIKTAŞ, TURKEY
℡+90-212-381-40-00
ターキッシュ インダルジェンス 120分 265euro
アクセス/イスタンブール国際空港から車で約50分。
https://m.fourseasons.com/bosphorus/
<レート>
1euro≒143円(2022年6月下旬現在)
トラベル&スパジャーナリスト
板倉由未子
Yumiko Itakura
<プロフィール>
『25ans』などの編集者を経て現職に。世界を巡り、土地に息づく癒やし、健康、食、文化をテーマに、各メディアで五感に訴える旅企画を提案&執筆。政府の国際機関や観光局、企業主催のセミナーなどでも、スピーカーを務める。また、イタリア愛好家としても知られ、『イタリアマンマのレシピ』(世界文化社刊)を構成&執筆。
Photos: Four Seasons Hotels & Resorts
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