第2回 マレーシア・トレンガヌ
2022年02月08日更新
SUMMARY
- ・癒しと浄化の教えが息づくマレーシアのトレンガヌ
・婦人病知らず、子孫繁栄を叶える王家秘伝のトリートメント
・まとめ
日々デトックスを心がけ、 巡りのよい心身をキープする
世界中のホテルスパを取材し、各地の健康や美のルーツを体験し続けている、トラベル&スパジャーナリストの板倉由未子さんが執筆するコーナー。
毎月、1地域にフォーカスを当て、その土地に根づく“おばあちゃんの知恵袋”的なウェルネスメソッドを、スパのリチュアルやトリートメントなどから紐解いていきます。
その土地の健康法を探りながら、世界を一緒に旅してみませんか?
今回は、マレーの伝統を全身で堪能できる「タンジョン・ジャラ・リゾート」についてです。
癒しと浄化の教えが息づくマレーシアのトレンガヌ
マレーシアの東海岸に位置するトレンガヌは、美しい南シナ海を望む200㎞を超える長い海岸線と、生命力あふれるジャングルが印象的な海辺の町です。
他民族が共存しながら暮らしているマレーシアですが、この辺りには、マレー民族が多く住んでいます。昔から、この土地の人々はイスラム教を信仰し、スチムルニ(=よりよく生きるために魂を浄化する)という、土地伝来の精神を大切に生きてきました。
今でも、各村にはヒーラーがいて、人々が心身ともに健康でいられるように、的確なケアやアドバイスをしてくれるそう。そんなスピリチュアルなトレンガヌを象徴するのが「タンジョン・ジャラ・リゾート」。
手つかずの大自然の中に、17世紀のマレー宮殿を彷彿させる伝統建築が点在し、一歩足を踏み入れると、穏やかで温もりあふれる空気に包まれます。
リゾートで働くスタッフの大半は、“スチムルニ”の教えに触れて育った近隣に住む人々です。
婦人病知らず、子孫繁栄を叶える王家秘伝のトリートメント
スパを訪れると、すべてのトリートメントの前に、「マンディ・ブンガ」といわれる、お祝いや歓迎の意を表す伝統儀式が行われます。
ゲストは7つのお願いをしながら花と水を浴び、心身を清めるのです。
古来、この地域では、子孫繁栄が人生の目的とされてきました。そのため、スムーズに子供を授かるための体づくりの知恵が息づいています。
スパでも、王家に伝わるその知恵からヒントを得たトリートメント「トラディショナル マレー マッサージ(ウルタン ガメラン)」を体験できます。
セラピストは、ホルモンバランスを整えるジャスミンやトロピカルマグノリアなどでつくられたオイルで、全身をトリートメント。
女性は加齢とともに子宮の位置が下がることで、月経不順、不妊症、更年期障害などの不調が生じやすくなることから、お腹周りを引き上げるようなマッサージも行われます。
トリートメント後、血色がよくなり、肌のハリとつやがアップ。深くリラックスできて、安心感に満たさるでしょう。
さらに、ビーチの砂を温め布で包んだものを、ホルモンを司る脊椎のラインに押し当てる「ツアム パジア」というメューも体験すれば、女性にとって、エネルギーの源である子宮のパワーを、いっそう強化できるはずです。
まとめ
日々デトックスを心がけ、いつも清らかにーー健やかに生きるための生活を送っているトレンガヌの女性たち。
年齢不詳でいつまでも若々しい人々が多いのは、常に自分の心と体の声を、敏感にキャッチしメンテナンスしているからといえるでしょう。
みなさんも、日々の生活の中で、自分自身の体調や心の微妙な変化を感じとり、自身をケアする習慣を取り入れてみてはいかがでしょう。
Tanjong Jara Resort
タンジョン・ジャラ・リゾート
Batu 8, Off Jalan Dungun, 23000 Dungun, Terengganu, Malaysia
トラディショナル マレー マッサージ 50分300RM /80分375RM
ツアム パジア 100分460RM
アクセス/クアラトレンガヌ空港から車で約75分
<レート>
1RM≒28円(2022年1月現在)
トラベル&スパジャーナリスト
板倉由未子
Yumiko Itakura
<プロフィール>
『25ans』などの編集者を経て現職に。世界を巡り、土地に息づく癒し、健康、食、文化をテーマに、各メディアで五感に訴える旅企画を提案&執筆。
政府の国際機関や観光局、企業主催のセミナーなどでも、スピーカーを務める。
また、イタリア愛好家としても知られ、『イタリアマンマのレシピ』(世界文化社刊)を構成&執筆
Photos:YTL HOTELS
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